イギリスのことわざ「子供が生まれたら犬を飼いなさい」

皆さんは「子供が生まれたら犬を飼いなさい」というイギリスのことわざを知っていますか?詩とも呼べるこのことわざには、とても素晴らしい教訓が込められています。
この記事ではそのことわざについて、私の愛犬に関するエピソードを交えながらご紹介させていただきます。
ことわざの内容と意味
子供が生まれたら犬を飼いなさい
子供が赤ん坊の時、
子供の良き守り手となるでしよう。
子供が幼少期の時、
子供の良き遊び相手となるでしょう。
子供が少年期の時、
子供の良き理解者となるでしょう。
そして子供が青年になった時、
自らの死をもって子供に命の尊さを教えるでしょう。
犬を飼うということは、家族が増えるということです。愛犬と共に過ごす日々は、かけがえのない時間となります。
遊びを通してコミュニケーションを学び、世話をすることで責任感を養い、寄り添うことで優しさを知り、そして最後は、愛犬の死をもって命の尊さを知るでしょう。そんな意味が込められたことわざになっています。
イギリスのことわざ?由来や作者には諸説あり
この詩はイギリスで生まれたと伝えられていますが、イギリスの原詩を多くの人が探しても見つけることが出来ず、英語の詩が出てきても、日本人が日本語を英訳したものばかりのため、最近では日本で生まれたという説が浮上してきました。
中でも有力なのがコミック「ゴルゴ13」シリーズの130巻に収録されている「黄金の犬」という一話に出てくる一文ではないかと言われています。
この「黄金の犬」の話には次のような言葉があります。
犬は、かげがえの無い、人間のパートナーであり、その関係は神秘的ですらある。 そんな犬好きの、誰かが言った。
子供が産まれたら子犬を飼うがいい、子犬は子供より早く成長して、子供を守ってくれるだろう。
そして子供が成長すると良き友となる。
青年となり多感な年頃に犬は年老いて、死ぬだろう。
犬は青年に教えるのである、死の悲しみを
出典:ゴルゴ13「黄金の犬」
この漫画の話が発行されたのは、1999年2月です。どちらが先に世に出たのかは判断ができませんが、英語の原文が見つけられないという理由から、このお話が元になっている可能性もあるかもしれません。
体験談!ことわざを通して学んだ命の大切さ

私は子供の頃から一緒に過ごしてきた犬を亡くした後にこのことわざを知り、そこで命の大切さを感じることができました。
そんな私の体験を通して、皆さんにも命の大切さを少しでも感じていただけたらと思い、私の愛犬との思い出をお話しますね。
愛犬『むぎ』との出会い
我が家に愛犬『むぎ』が来たのは、私が小学校5年生の時。妹弟が小学校3年生の時でした。
当時、どうしても犬が飼いたかった私たちは、三人で両親に一生懸命にお願いして、やっとの思いで『むぎ』を迎えることができました。 そんな経緯から我が家に迎えたミニチュアダックスフンドのむぎ(女の子)は、本当に大事に育てて、あっという間に私たち三人と同じくらいの歳になりました。
一緒に寝て、一緒に食べて、一緒に遊んで、一緒に怒られて、三人と一匹は毎日一緒でした。
『むぎ』は妹でもあり、姉のようでもありました。当時は完全に家族の一員になっていました。 兄弟ケンカをすると「ワンワン!」と仲裁に入り、散歩中に大きな犬が来ると「ウーッ」と守ってくれました。 駆けっこもしたし、ボール遊びもしました。
そうです、『むぎ』はことわざの通り、三人の良き守り手となり、良き遊び相手となりました。
時が経ち、良き理解者に
時が経ち、三人は思春期真っ只中になりました。学校であった事、友達との事、悔しかった事、辛かった事、嬉しかった事、両親には話せなくても『むぎ』にはコッソリ話していました。話さなくても、ギューっと抱きしめているだけで聴いてもらえていた気がしました。 私に元気がないと『むぎ』は寄り添ってきました。時には抱きしめたまま涙した事もありました。
そうです、あの時の『むぎ』はことわざの通り、三人の良き理解者でした。
『むぎ』との別れ
『むぎ』は年老いて、ガンの手術を2回程受けていました。体力も落ちて散歩も行けなくなり、寝ている事が多くなりました。
そして、むぎは17年目の春に旅立ちました。
私はたくさん介護もしたし、少しずつ弱る『むぎ』を看ていたので心の準備はできていました。
亡くなる1ヶ月前に、桜を見に抱っこして連れ出したのは良い思い出です。『むぎ』も久々に歩きたがったので、半年ぶりくらいに土を踏ませました。シッポを微かにふり、私を幸せな気持ちにしてくれました。しかしその時は、その1ヶ月後に別れの日が来るとは思いませんでした。
お別れの日・・・私たちは感謝の気持ちでお別れをしました。
妹は何回も何回もナデナデして、すすり泣きながらお別れしていました。まだ少し体温が残っている『むぎ』は、鼻の頭を撫でられて気持ち良い表情に見えました。 弟は仕事の営業先の飲み会だったようですが、連絡を受けて急いでタクシーで帰ってきました。『むぎ』を抱きしめ声をあげて泣きました。たくさん『むぎ』に話しかけていました。あんな弟を見たのは家族全員初めてでした。
両親はその日、「むぎを迎えてよかった」と『むぎ』のほっぺに優しくキスして「ありがとう」と言って、『むぎ』を真ん中に川の字で寝ました。それを見て私は、素敵な両親に育てられたと思いました。
ことわざが教えてくれた『むぎ』との大切な時間
『むぎ』とお別れした後、私はこのことわざを知り『むぎ』が残してくれた大事な思い出に気が付いたのでした。
家族の一員に迎えてから亡くなるまでの日々の中で、愛犬がどれほど多くの愛情を与えてくれたのか。そして愛犬にどれほど多くの愛情を注いだのか。 命の大切さというのは、大事な思い出があってこそ理解することができるのかもしれません。
もし、愛犬を亡くし「こんな悲しい想いをするのなら犬を飼わなければ良かった」と、思っている方や、犬を家族に迎えるのを「死が待っているから嫌だ」「そんな可哀想なのは見たくない、耐えられないと」ためらっている方がいるならば、このことわざを知ってほしいです。
私の思い出話から、命の大切さやこのことわざの意味について、少しでも感じとっていただければ幸いです。
まとめ

もしかしたら命の大切さというのは、死をもってでしか本当の意味で理解することはできないのかもしれません。ですが、このことわざから命とどう向き合っていけば良いのか、ヒントは感じ取れる気がします。
「子供が生まれたら犬を飼いなさい」このことわざには、私たちが日常を過ごす中であたりまえになって見過ごしてしまうものが込められているのではないでしょうか。




